LINE予約システムは無料で作れる?5つの方法と向き不向きを解説

結論からお伝えします。LINEで予約を受ける仕組みは無料でも作れます。ただし方法は5つあり、どれを選ぶかで手間と限界がまったく違います。無料で足りるかどうかは、月の予約件数とスタッフの人数でほぼ決まります。本記事では試算として月30件を分かれ目に置いています。根拠は後半で計算式とあわせて示します。予約が特定の曜日に集中する店では、件数が少なくても先に限界が来ます。
筆者は熊本でLINE公式アカウントの構築代行を行っている個人事業主です。予約機能はLステップのカレンダー予約で組んだこともあれば、無料のオープンソースで自作を試したこともあります。うまくいった部分も、詰まった部分も含めて書きます。
LINEの予約システムは無料で作れる?
作れます。LINE公式アカウントは無料プランがあり、そこにGoogleの無料ツールを組み合わせれば費用ゼロで予約を受けられます。
ただし「無料」という言葉には幅があります。多くの記事が一括りにしていますが、実際には5つの層に分かれていて、どこまで無料でどこから有料かが違います。自分がどの層に該当するかを先に決めないと、途中で作り直しになります。

無料でLINE予約を作る5つの方法は?
5つあります。手軽な順に、公式の予約機能、Googleフォーム連携、予約システムの無料プラン、配信ツール内蔵の予約機能、オープンソースの自作です。
| 方法 | 費用 | 必要な知識 | 空き枠の自動管理 | 向く規模 |
|---|---|---|---|---|
| LINE公式の「LINEで予約」 | 無料 | なし | 連携先による | 対応業種なら小〜中 |
| Googleフォーム+スプレッドシート | 無料 | ほぼ不要 | できない | 月30件まで |
| 予約システムの無料プラン | 無料枠あり | 少し | できる | 月の予約数に上限 |
| 配信ツール内蔵の予約機能 | ツール料金内 | 中 | できる | 中〜大 |
| オープンソースで自作 | インフラ費ほぼ0円 | 高い | 作り込み次第 | 技術者がいる場合 |
上から順に手軽ですが、下に行くほど自由度が上がります。よくある失敗は、いちばん上から始めて限界にぶつかり、移行で手間取ることです。過去の来店履歴を持ち出せるかはサービスによって違います。CSVで書き出せるものもあれば、画面でしか見られないものもあります。契約前に、予約履歴・顧客名・連絡先・メモの4つを書き出せるかを確認してください。
はじめから月の予約件数を見積もって、該当する層から始めてください。
3つ目の「予約システムの無料プラン」を選ぶ場合、サービスごとに無料枠の中身がまったく違います。名前で選ばず、次の4点を公式サイトで確認してください。
- 月間の予約件数に上限があるか。あるなら何件までか
- LINE公式アカウントと連携できるか。無料プランでも連携できるか
- 予約履歴と顧客情報をCSVで書き出せるか
- スタッフを複数登録できるか。無料プランでは1名までのことが多い
上限を超えた月だけ予約が止まる、という事故が起きます。枠の上限は必ず数字で確認してください。
それぞれの方法はどんな店に向く?
予約件数とスタッフ数で決まります。ひとり営業で月30件までなら無料の組み合わせで足り、それ以上は有料の仕組みに移したほうが結果的に安くつきます。
| 状況 | おすすめの方法 |
|---|---|
| ひとりサロン・月の予約30件まで | Googleフォーム+スプレッドシート |
| ひとりサロン・指名や複数メニューがある | 予約システムの無料プラン |
| スタッフ2名以上・シフトが絡む | 予約システムの有料プランか配信ツール内蔵 |
| 配信で集客もしたい(クーポン・ステップ配信) | 配信ツール内蔵の予約機能 |
| 社内に技術者がいて自由に作りたい | オープンソースで自作 |
判断が分かれやすいのが3行目です。スタッフが2人以上になった時点で、無料の仕組みは急に苦しくなります。誰がいつ空いているかを人力で突き合わせることになるためです。ここは迷わず有料に切り替えてください。
LINE公式アカウントだけで予約は受けられる?
単体では受けられません。LINE公式アカウントには「LINEで予約」という機能がありますが、外部の予約サービスと連携済みのアカウントでのみ使えます。
LINEヤフーの公式マニュアルには「予約サービスと連携が完了していないLINE公式アカウントはご利用いただけません」と明記されています。連携先として使えるサービスは公式マニュアルに一覧がないため、自分の業種で使えるかどうかは、導入したい予約サービス側に確認するのが確実です。
できることは、予約フォームへのリンクをプロフィール・リッチメニュー・一斉配信から出すこと、そして予約数・キャンセル数・来店数を見ることです。予約の受付そのものは連携先が担います。
つまり「LINE公式アカウントを開設すれば予約が受けられる」わけではありません。LINEは入口であって、予約を管理するのは別の仕組みだと考えてください。開設の手順はLINE公式アカウントの始め方でまとめています。
Googleフォームで予約を受ける手順は?
3ステップです。フォームを作り、リッチメニューにリンクを置き、回答をスプレッドシートで受けます。費用はかかりません。
- Googleフォームで予約項目を作る(氏名・希望日時・第2希望・メニュー・連絡先)
- 回答先のスプレッドシートを用意する
- LINE公式アカウントのリッチメニューにフォームのリンクを設定する
ここで必ず入れてほしいのが第2希望の欄です。Googleフォームでは空き枠がリアルタイムで見えないため、第1希望が埋まっている場面は必ず起きます。第2希望が無いと、そのたびに個別のやり取りが発生します。1件あたり数分でも、月30件なら1時間以上が消えます。
自動返信を付けたい場合はGoogle Apps Scriptを使う方法もありますが、ここから先は保守が必要になります。動かなくなったときに直せる人がいないなら、無理に組まないほうが安全です。
リッチメニューの作り方はリッチメニューの作り方とデザインのコツで解説しています。

Googleフォームで運用すると何が起きる?
3つの問題が出ます。ダブルブッキング、確認作業の増加、個人情報の管理責任です。5つの方法のうち、Googleフォーム方式に特有の弱点だと考えてください。
ダブルブッキングです。Googleフォームで作った場合、埋まった枠を自動で閉じられません。予約システムの無料プランを使えば自動で閉じられるので、この問題は起きません。同じ時間に2件入った場合、どちらかに断りの連絡を入れることになります。件数が少ないうちは起きませんが、月30件を超えたあたりから確率が上がります。
確認作業も増えます。予約が入るたびにスプレッドシートを開き、空きを見て、返信する。この往復が積み上がります。営業中に対応できず、閉店後にまとめて返す形になりがちです。返信が遅れるほど、他店で予約された可能性が上がります。
個人情報の管理責任も生じます。氏名と連絡先を自分のスプレッドシートに保存する以上、管理の責任は店側にあります。共有設定を誤って外部から見える状態にする事故は、実際に起きています。共有リンクの設定は作った直後に必ず確認してください。
自作の場合はもう1つ加わります。同じメッセージが2回送られる不具合です。通知の再送を二重に処理してしまうと発生し、受け取った側には「同じ案内が2通届いた」としか見えません。自分でシステムを組む場合、この種の不具合は自分で見つけて直すことになります。筆者もオープンソースで組んだときに同じ症状に当たり、原因の切り分けに時間を取られました。
有料に切り替える目安は?
月の予約件数が30件を超えるか、スタッフが2名以上になったときです。人件費に換算すると、その時点で有料ツールのほうが安くなります。
計算してみます。1件あたりの調整に5分かかるとして、月30件なら2時間30分です。時給を2,000円で見れば月5,000円分の時間を使っている計算になります。予約ツールの月額はそれと同じか、下回ることが多いはずです。
加えて、無料の仕組みでは取りこぼしが見えません。返信が遅れて他店に流れた分は数字に出ないため、損失に気づけません。有料に切り替える判断は「今つらいかどうか」ではなく「件数がいくつか」で決めてください。
配信で集客もしたい場合は、予約専用ツールではなく配信ツール内蔵の予約機能を検討する価値があります。予約者にそのままクーポンやリマインドを送れるためです。ステップ配信の設計はLステップのステップ配信の作り方、料金の全体像はLステップの料金でまとめています。プランごとに使える機能が違うため、契約前に公式サイトで最新の情報を確認してください。
サロンがLINE予約を導入するときの注意点は?
指名とメニュー時間の扱いを先に決めてください。ここを詰めずに始めると、予約は取れても現場が回らなくなります。
サロンの予約が他業種と違うのは、同じ時間でもメニューによって所要時間が変わる点です。カットとカラーでは2倍以上違います。無料のフォームでは所要時間を自動で計算できないため、「30分刻みで枠を作る」といった運用でごまかすことになります。
決めておきたいのは4つです。
- メニューごとの所要時間を枠に反映するか、それとも一律の枠にするか
- 指名を受けるか。受けるならスタッフごとに枠を分ける必要がある
- 直前キャンセルの締め切りを何時間前にするか
- 予約の前日リマインドを送るか
4つ目は効果がわかりやすい部分です。前日にひとこと届くだけで無断キャンセルは減ります。無料のフォームでは自動化できないため、リマインドまで求めるなら有料の仕組みが必要になります。
友だちを増やす導線そのものはLINE公式アカウントの友だちの増やし方7選で扱っています。
よくある質問
Q1. LINE公式アカウントの無料プランでも予約は受けられますか?
受けられます。ただし予約の管理は外部のフォームやツールが担うため、その組み合わせが必要です。
Q2. Googleフォームでの予約は何件くらいまで耐えられますか?
月30件が目安です。それを超えると空き枠の突き合わせが人力では追いつかなくなります。
Q3. 予約と同時にクーポンを配りたい場合はどうすればいいですか?
配信ツール内蔵の予約機能が向きます。予約者へのリマインドとクーポン配信を1か所で組めます。
Q4. オープンソースで自作すれば月額0円で運用できますか?
インフラ費はほぼ0円にできます。ただし不具合の発見と修正を自分で行う前提になります。
Q5. 途中で別の予約システムに乗り換えられますか?
乗り換えは可能です。ただし履歴を持ち出せるかはサービス次第なので、契約前にCSV出力の可否を確認してください。
まとめ
LINEの予約システムは無料で作れます。ただし方法は5つあり、無料で足りる範囲は試算で月30件、スタッフ1名までが目安です。
判断の順番はこうです。まず月の予約件数を数える。次にスタッフの人数を確認する。この2つで、5つのうちどこから始めるかが決まります。手軽さだけで選ぶと、移行のときにデータを持ち出せず苦労します。
無料の仕組みが向かないのは、件数が多い店ではなく、返信の遅れが売上に直結する店です。取りこぼしは数字に出ないので、気づいたときには手遅れになります。
自分の店がどの方法に該当するか、いま使っている仕組みから移行すべきか。判断に迷う場合は、お問い合わせから相談してください。無料です。
相談でやることは3つです。月の予約件数とスタッフ数から、5つのうちどこに該当するかを判定する。今の仕組みで取りこぼしが出ていないかを確認する。移行が必要なら、その順番と費用の目安をお伝えする。所要は30分ほどで、その場で結論が出ます。
無料の仕組みのままで足りる状況なら、そう申し上げます。作る必要のないものを勧めることはしません。熊本を中心に、LINE公式アカウントとLステップの構築代行を行っています。