Lステップの流入経路分析とは?設計の考え方を構築代行者が解説

結論からお伝えします。Lステップの流入経路分析は、友だち追加された経路ごとに専用のURLやQRコードを発行し、「誰がどこから登録したか」を記録する機能です。プロプランで使えます。ただし本当の価値は集計ではなく、経路ごとに最初の体験を変えられる点にあります。作った経路をあとからまとめ直す手段はないため、作りはじめる前の設計がすべてを決めます。
筆者は熊本でLINE公式アカウントの構築代行を行っている個人事業主です。複数の業種でアカウントを設計してきた経験から、機能の説明だけでなく「実際にどう組むか」まで書きます。
Lステップの流入経路分析とは?
友だち追加された経路を自動で記録し、経路ごとに違うアクションを実行できる機能です。チラシ、Instagram、店頭POPなど、入口ごとに別のURLやQRコードを発行して見分けます。
LINE公式アカウントの標準機能でも友だちの増減はわかります。ただし「どこから来たか」までは追えません。増えた事実だけが残り、何が効いたのかが判断できない状態になります。流入経路分析は、そこに入口の情報を足す仕組みだと考えてください。
似た名前の機能と混同されやすいので、違いを整理します。
| 機能 | 何を測るか | いつ使うか |
|---|---|---|
| 流入経路分析 | 友だち追加された入口 | 集客チャネルの効果を比べたいとき |
| URLクリック測定 | 配信内のリンクが押された数 | 配信の反応を見たいとき |
| クロス分析 | 属性と行動の掛け合わせ | 誰が反応したかを深掘りしたいとき |
3つは競合するものではなく、役割が違います。入口が流入経路分析、配信後の反応がURLクリック測定、その中身の分解がクロス分析です。まず入口から手をつけると、その後の数字が読みやすくなります。
LINE公式アカウントとLステップの役割の違いはLINE公式アカウントとLステップの違いで解説しています。

流入経路分析はどのプランから使える?
プロプランで使えます。スタンダードプラン以下では利用できません。
料金と機能の対応は改定される場合があるため、契約前に公式サイトで最新の情報を確認してください。プランごとの機能差はLステップのプラン別にできること、総額の目安はLステップの料金でまとめています。
プランを上げる前に、そもそも必要かを確かめてください。判断の分かれ目は「入口が複数あるか」の1点です。入口が1つしかない事業では、経路を分けても比べる相手がいません。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 集客の入口が3つ以上ある(SNS・紙媒体・店頭など) | 導入する価値がある |
| 入口はあるが、月の友だち追加が10人未満 | 数がたまるまで見送る |
| 入口が店頭のQRコード1つだけ | 導入しても差が出ない |
| 広告を出していて費用対効果を測りたい | 導入する価値が大きい |
上位プランの月額を払う判断は、経路がわかることで動かせる金額と比べて決めてください。広告費を月に数万円かけているなら、どの媒体が効いているかがわかるだけで元が取れます。逆に入口が1つなら、そのお金は別のところに使うほうが得です。
注意したいのが、プランを下げた場合の扱いです。下位プランへ移れば流入経路分析は使えなくなります。ダウングレードそのものに条件が設けられている場合もあるため、契約前に確認しておいてください。「とりあえず上位で始めて、あとで下げる」という進め方は想定どおりにいかない可能性があります。
もう1点、導入前に知っておきたい仕様があります。流入経路つきのURLから登録すると、友だち追加の途中で認証画面が表示されます。通常のQRコードより手順が1つ増えるため、その分の離脱は避けられません。効果測定の価値と、わずかな離脱を天秤にかける判断になります。
流入経路はいくつ作るべき?
細かく作りすぎないでください。最初は5〜10個に抑え、媒体単位で切るのが扱いやすい粒度です。
多くの人が最初にやってしまうのが、投稿1本ごと、チラシ1種類ごとに経路を作ることです。3か月もすると経路が数十個に膨らみ、どれが何だったか思い出せなくなります。筆者が運用してきた範囲では、作成済みの経路をあとから1つにまとめる方法はありません。散らかった状態がそのまま残ります。
筆者が使っている基準は次のとおりです。
- 媒体が違えば分ける(Instagram、チラシ、店頭、紹介)
- 同じ媒体で施策が違えば分ける(Instagramの通常投稿とキャンペーン)
- 同じ施策の投稿ごとには分けない
- 迷ったら粗いほうを選ぶ。あとから細かくは足せる
事業の形によって、切るべき単位は変わります。目安を挙げます。
| 事業の形 | 分ける単位 | 経路数の目安 |
|---|---|---|
| 店舗(サロン・飲食・整体) | 店頭POP/レジ声かけ/チラシ/SNS/紹介 | 5〜7 |
| EC・通販 | 商品同梱カード/SNS/広告/メルマガ | 4〜6 |
| BtoB・士業 | 名刺/セミナー/紹介/Webサイト | 4〜5 |
| 広告を出している | 上記+広告の媒体ごと | 媒体の数だけ足す |
分けるかどうかは「配る相手が違うか」で決めてください。同じ人に届く2つの入口を分けても、比べる意味がありません。逆に、来る人の層が違うなら必ず分けます。店頭とInstagramでは、そもそも相手の温度が違います。
名前の付け方も先に決めておきます。「媒体_施策_年月」の形にすると、半年後の自分が読めます。たとえば「IG_夏キャンペーン_2608」のような形です。日本語だけの名前は一覧で並んだときに区別がつきにくくなります。
流入経路に設定するアクションとは?
経路ごとに、タグ付け、あいさつメッセージ、シナリオ配信、リッチメニュー表示などを自動で実行できます。集計より、この自動化のほうが成果に効きます。
チラシから来た人と、Instagramから来た人では、知っている情報の量が違います。同じあいさつを送るのは機会の損失です。筆者が標準として組んでいる構成を紹介します。
- 経路を識別するタグを付ける
- 登録日を友だち情報に記録する
- 経路ごとのあいさつメッセージを送る
- 経路に対応したシナリオ配信を開始する
- 経路に応じてスコアを加算する
- 経路専用のリッチメニューを表示する
- 2回目・3回目の流入は条件分岐で別扱いにする
7番目を補足します。同じ人が別の経路から再度アクセスすることがあります。何も設定しないと、あいさつが二重に届いたり、シナリオが上書きされたりします。「初回のみ実行する」条件を入れておくと防げます。ここは設定漏れが起きやすい箇所です。
5番目のスコア加算は、見込み度の高い経路に重みを付ける使い方です。たとえば紹介からの登録は成約率が高い傾向にあるため、点数を厚めにします。あとで見込み客を抽出するときの精度が変わります。
シナリオ配信の設計そのものはLステップのステップ配信の作り方、リッチメニューの作り方はリッチメニューの作り方とデザインのコツで解説しています。

数字はどこを見ればいい?
登録者数の多さではなく、経路ごとの「その後の動き」を比べてください。数だけで判断すると、質の低い経路に予算を寄せる結果になります。
見るべき順番は3段階です。
| 段階 | 指標 | わかること |
|---|---|---|
| 1 | 登録者数 | どれだけ人が来たか |
| 2 | ブロック率・反応率 | 来た人の質 |
| 3 | 予約・購入などの成果 | 売上につながったか |
たとえば、Instagramから100人、紹介から20人が登録したとします。数字だけなら前者の勝ちです。ところが紹介経由の20人から5件成約し、Instagramの100人からは2件だった場合、力を入れるべきは紹介の導線になります。
段階2のブロック率は特に見落とされます。登録直後にブロックされる経路は、期待と中身がずれているサインです。「登録特典が魅力的すぎて、特典だけ受け取って離脱している」という形が典型的です。経路単位で見ないと、この歪みは平均に埋もれて見えません。
友だちを増やす導線そのものはLINE公式アカウントの友だちの増やし方7選、Instagramからの集客はインスタリールからLINEへ集客する導線設計で扱っています。
流入経路分析でよくある失敗は?
導入したのに、通常の友だち追加用QRコードを配り続けてしまう失敗が最も多いです。経路つきのURLを使わなければ何も記録されません。
現場で繰り返し見てきた失敗を挙げます。
- 経路つきURLではなく、標準のQRコードをチラシに載せてしまう
- 経路を作りすぎて、半年後にどれが何かわからなくなる
- 初回限定の条件を入れず、あいさつが重複して届く
- 名前を日本語だけで付けて、一覧から判別できなくなる
- 印刷物に載せたQRコードを刷り直せず、経路を修正できない
最後の項目は取り返しがつきません。チラシやショップカードに印刷する経路は、発注前に必ずテスト登録して動作を確認してください。自分のスマートフォンで実際に読み取り、あいさつとタグが想定どおりに動くかを見ます。5分の確認で、刷り直しの費用が消えます。
よくある質問
Q1. 流入経路分析はLINE公式アカウントだけでも使えますか?
使えません。LINE公式アカウントに標準搭載された機能ではなく、Lステップのプロプランの機能です。
Q2. 経路を作りすぎたあとに、まとめ直せますか?
まとめ直す手段は用意されていません。使わない経路を停止して整理する形になります。
Q3. 流入経路つきのURLだと友だち追加されにくくなりますか?
認証画面が1つ増えるため、多少の離脱は起きます。効果測定の価値と比べて判断してください。
Q4. 導入してから効果が見えるまでどのくらいかかりますか?
期間ではなく件数で見ます。1経路あたり数十件たまるまでは差が偶然か判断できません。
Q5. 既存の友だちの流入経路は後から調べられますか?
調べられません。記録されるのは設定後に追加された友だちのみです。
まとめ
Lステップの流入経路分析は、友だち追加の入口を記録する機能です。プロプランで使えます。
ただし集計だけを目的にすると、機能を持て余します。価値があるのは、経路ごとにあいさつとシナリオを変えて、来た人に合った最初の体験を届けられる点です。チラシから来た人とInstagramから来た人に、同じ文面を送る必要はありません。
設計で押さえるのは3つです。経路は粗く作る。名前の付け方を先に決める。初回限定の条件を必ず入れる。この3つを守れば、半年後も読める状態が保てます。
自社の場合はどう経路を切ればいいか、そもそもプロプランに上げる価値があるか。判断に迷う場合は、無料の相談で現状を一緒に確認します。
相談でやることは3つです。今ある集客の入口を数える。経路を分ける単位を決める。上げる月額に見合うかを判断する。ここまでで、導入すべきかどうかの答えは出ます。見送るべき状況ならそう伝えます。
すでに運用していて経路が散らかっている場合も、整理の方針から一緒に組み直せます。熊本を中心に、LINE公式アカウントとLステップの構築代行を行っています。